診療案内
歯周病治療歯周病の治療方法

歯周病の治療

歯周病の治療は、どのようなことをするの?
まずは歯周病の程度を診るために、それぞれの歯について、歯周病の診査・診断から始めます。
急性炎症がある場合
当院の診療に際しての基本的姿勢
急性炎症がある場合には、軽い歯の掃除や腫れている歯肉の消毒、そして全身的、局所的(口腔内)での薬物投与(抗生剤、消炎剤)を行います。
急性炎症が落ち着いたら
急性炎症が落ち着いたら
症状が落ち着き慢性状態になれば、レントゲン診査、歯周病基本検査(ポケットの深さ、出血の有無、歯の動揺度)や歯並び、かみ合わせや歯垢付着の状態などの診査・診断を行います。
一般的に、歯周病は全体的に均一に進行するのではなく、歯の部位により進行度が異なります。具体的には、奥歯のほうが、前歯に比べて歯周病が悪化しやすいといったような傾向があり、また患者様それぞれにおいても、歯周病の進行度というのは部位によって違ってきます。
そのため、診断結果をじっくり考慮した上で、患者様それぞれに効果的な治療計画を立て、患者様と相談させていただきながら、一つ一つ丁寧に治療を行って行くことが最良のゴールにたどり着くためにはとても重要になってきます。
内科的治療、生活習慣の改善も必要
内科的治療、生活習慣の改善も必要
もし、糖尿病などの内科的疾患がある場合には、歯周病の治療だけでは状態が改善しないこともあります。その場合には、内科的疾患の治療を行うとともに、生活習慣の改善(禁煙、過度な飲酒禁止、肥満防止、ストレス軽減、睡眠不足、食生活、規則正しい生活習慣等)を同時に行っていくことも必要となります。
歯周病の改善には、患者様の協力が欠かせません
歯周病の改善には、患者様の協力が欠かせません
歯周病の治療というのは、患者様の協力なしには達成することができません。
歯周病は、生活習慣病の一つとしても数えられており、多くの場合、病的な状態に至るまでにはかなりの年月を要します。
それゆえ、一般的に、治療の期間・通院回数もそれだけ多くかかるのが通常です。
当院では、歯科医師だけでなく、歯科衛生士やその他のスタッフも、できる限りのサポートさせていただきますので、ぜひ力を合わせて歯周病を改善していきましょう!

治療方法と治療期間の目安

歯周病の改善には、患者様の協力が欠かせません
歯周病の治療方法には大まかに分けて4つあります。
  1. (1)歯周基本治療
  2. (2)歯周外科治療
  3. (3)歯周薬物治療
  4. (4)生活習慣の改善と全身的因子の除去又は改善、メインテナンス
健康歯肉
歯周病の治療として通常初めに行う治療は、歯周病の最大の原因である歯垢(プラーク)や歯石を、歯や歯ぐきから取り除く原因除去療法です。これは歯周初期治療とも呼ばれます。

スケーリング(SC)

歯の表面についた歯石をスケーラーと呼ばれる器具、または機械で取り除く治療法です。

スケーリング・ルートプレーニング(SRP)

歯ぐきの下に隠れている歯周ポケット内の歯石や歯垢を、キュレットと呼ばれる器具にて除去し、歯根面を滑らかにして細菌がつきにくくする治療です。

ブラッシング指導(TBI)

歯周病を改善するためには、まず基本として、毎日の歯磨きが正しくできることが必要不可欠です。ですが、歯磨きを正しくできている人というのは、実はあまり多くありません。
そのため、歯の掃除、歯石取りと同時に、歯ブラシ指導(TBI)も行います。
歯垢は歯と似た色をしているため、そのままの状態では磨き残しはなかなか見えません。そのため、歯垢を染色液で染め出して可視化し、効果的に汚れが落とせるよう、ブラッシング指導を行います。
歯垢の清掃用具には、歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなどがありますが、ご家庭で磨き残しができるだけ出ないよう、それぞれの清掃用具の使い方も丁寧にアドバイスいたします。

その他

必要に応じて、生活指導、食事指導も同時に行います。
また、合わない詰め物、被せ物、ブリッジなどがあり、歯との間に歯垢が溜まりやすい、もしくはむし歯ができている場合には、きれいに作り直しを行います。
入れ歯が合っていない、入れ歯が歯に負担をかけすぎているというような場合には、適切に設計された適合の良い入れ歯に入れ替えます。
ポイント
つまり、歯周基本治療とは、歯や歯ぐきの周囲の歯垢や歯石や細菌を除去して炎症をしずめ、歯垢除去を妨げている要因を取り除き、かみ合わせの力のコントロールを行う、といったことで歯ぐきの健康を回復するという治療です。
歯周外科治療

歯周ポケットが深く進んだ重度の歯周病を治す治療

歯周基本治療のみでは治せない重度の歯周病の場合には、外科的な治療法が必要になる場合があります。
麻酔をして歯肉を切開して開き、通常の基本処置では器具が届かない深いとこにある歯垢、歯石、細菌の塊や不良肉芽組織(正常な組織が細菌の毒素で正常でなくなった組織のこと。あると自然治癒は起こりません)を除去します。
同時に、歯周ポケットも外科的に除去して浅くし、メインテナンスがしやすいようにしていきます。
歯周外科治療には、清掃がしにくい歯ぐきの形態の修正、歯周病の再発を防ぐための歯周外科、失われた健康な歯周組織を再生する歯周組織再生療法など、多くの治療法があります。
歯周薬物療法(歯周内科)

薬を使って歯周病関連菌を退治

歯周病の根本原因は細菌です。細菌の感染症なのです。つまり、その歯周病関連菌を退治すれば歯周病は治っていきます。
歯石や歯垢や歯の根の表面の清掃を行っても、目に見えない細菌まで退治する事はできません。お口の中の細菌を全て除去するということはできないのです。
お口の中には約400種類の細菌が生息していると言われますが、健康を維持するのに必要な細菌もいます。それゆえ、歯周病菌を特定して、その菌にアプローチする治療法を初期治療と併用するということも必要です。
マウスピースに薬剤(抗菌剤)をいれて夜間装着するドラッグデリバリー法を行うのも大きな効果が期待できます。

歯周病の治療期間の目安

一般的な歯肉炎・軽度歯周炎の場合

一般的な歯肉炎・軽度歯周炎の場合
3~6回(1か月~2か月以内)の通院で終了します。
基本的に歯の清掃や歯ブラシ指導は、歯科衛生士が担当します。
この程度の歯周病であれば、歯のクリーニングと歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスでの歯垢除去で治癒が期待できます。

中程度歯周炎の場合

中程度歯周炎の場合
治療回数は、歯石の量などにより個人差も大きいですが、6回~14回程度、約3か月〜半年が目安です。
それほど多いケースではありませんが、重度になるにつれ、様々な治療を組み合わせる必要が出てくるため、治療期間が1~2年かかってくる場合もあります。
歯ブラシの徹底はもちろんのこと、歯石取り(SC・SRP)、咬合調整や暫間固定(動揺のある歯を固定する)や、簡単な麻酔下での歯周ポケット内の掻把を行います。
その結果、ポケットが4ミリ以内となり、出血しない状態になったら一応終了でメインテナンスに入ります。
再発する場合、再度歯茎の検査、歯石取り(SC・SRP)を行って歯肉の炎症除去を試み、歯ブラシ指導によりご家庭での歯垢除去がしっかりとできるようにしていきます。
注意点
歯磨きがきちんとできていない、タバコをやめない、糖尿病の治療をしっかりしない、食生活が乱れている、睡眠不足である、といったような生活習慣の乱れがあると、歯周病治療の結果がうまく現れませんので、注意をしていただく必要があります。歯周基本治療後に歯周ポケットが5ミリ以上あり、出血がある歯に関しては、歯周病精密検査をしてから、患者様とご相談の上、歯周外科治療をおすすめする場合もあります。

重度歯周炎の場合

重度歯周炎の場合
重度歯周炎の治療には、全身的疾患の治療や生活習慣の改善、歯周初期治療や各種歯周外科、暫間固定、咬合調整や永久固定、インプラント治療や入れ歯治療などを組み合わせた総合的な歯科治療が必要です。
また、歯周組織再生療法や根尖側移動術や遊離歯肉移植術や重度歯周炎で歯を残すための永久固定(歯周補綴)などの高度先進歯周病医療といったものも必要となってきます。
永久固定(自由診療)
重度歯周病でも自分の歯を残したい、という場合には、グラグラした複数の歯をセラミックの被せ物で連結して固定することにより、10年以上持たせることも十分に可能となります。接着剤で一時的な固定をする「暫間固定」という保険診療での方法も一般的に行われていますが、すぐに外れてしまう、むし歯リスクがとても高いという欠点がありますし、あくまでも一時的な治療となります。
歯を支えている骨がほとんどなくなってしまっている場合に歯を長く持たせようとするならば、自由診療で連結したセラミックで永久的に固定するという方法が効果的です。

お知らせ

医療社団法人 角理会 アルカディアグループサイト