診療案内
歯周病治療

歯周病とは

当院の診療に際しての基本的姿勢
全身の健康にも影響する歯ぐきの病気
歯周病とは、お口の中の歯周病菌の感染症で、歯を支えている歯の周囲の健康な周囲組織(歯肉、歯根膜、骨、セメント質)が破壊され、知らないうちに溶けて、最後には歯を喪失してしまう病気です。
歯周病は、自覚症状がとても乏しく、ゆるやかに進行する慢性の生活習慣病で、40歳を超えると、約80%以上の人が歯周病に罹患していることから、国民病とも言われています。
歯周病は、歯を失うだけでなく、全身の健康にまで大きな影響を与えることも、大きな問題になっています。

歯周病を発症・悪化させる要因(リスク因子)

次のようなものが歯周病のリスク因子となります。
  • 1.喫煙
  • 2.歯ぎしり、食いしばり、かみしめ
  • 3.不適合なクラウン・ブリッジ、不適切な設計や不適合な入れ歯、かみ合わせが間違って作られた入れ歯
  • 4.不適合な歯の詰め物
  • 5.全身的疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモンの異常その他)
  • 6.日常のストレス
  • 7.歯列不正(歯並び、噛み合わせの悪さ)
  • 8.口呼吸
  • 9.歯の部分的欠損(歯を抜いて放置している)をそのままにしている。
  • 10.遺伝的体質
  • 11.過度な肥満
  • 12.生活習慣のみだれ(飲酒、睡眠不足、食生活等)
  • 13.加齢
  • 14.食片圧入(食べ物が歯の間に挟まる)

進行度による歯周病の分類

進行度による歯周病の分類

(1) 健康歯肉

健康歯肉
歯ぐきの色がピンクで、全体的に明るく、歯ときれいにバランスが取れているのが特徴です。
歯周ポケット 1~2ミリ

(2) 歯肉炎

歯肉炎
単純性歯肉炎とも呼ばれるもので、歯の周囲に溜まった歯垢(細菌)が原因で起こります。炎症が歯肉だけにとどまっており、歯肉の色が赤く濃く腫れ上がり、歯を磨くと出血します。歯ぐきが腫れるので歯周ポケットが深くなります。
10代~20代に多く見られます。幼児でも起こります。
歯磨きを適切に行うこと、そして歯ブラシで落としにくい部分に関しては、簡単なクリーニングを行うことで健康歯肉に戻ります。
ただし、全身的疾患や一部の薬物の服用の副作用で歯肉炎が起こることもあり、その場合には医科でその薬物の服用停止や全身的疾患の治療をしないと歯肉炎が治らない場合があります。
歯周ポケット 3~4ミリ

(3) 軽度歯周炎

軽度歯周炎
歯肉炎をそのまま放置すると、歯ぐきの炎症が歯を支える骨(歯槽骨)にまで波及して炎症が広がり、骨が溶け始めます。この状態を「歯周炎」といいます。
当然歯ぐきの炎症もひどくなり、腫れ、頻繁な出血が起こります。
歯周ポケット 4~5ミリ

(4) 中程度歯周炎

中程度歯周炎
歯周ポケットがさらに深くなり、歯ぐきの炎症(腫れ、赤み)も強く、歯を支える骨が3分の1から半分くらいまで溶けてなくなり、歯が少し揺れるのがわかるようになります。
食事の際に歯の間に食物が挟まりやすくなり、挟まると痛みを感じることもあります。
歯周ポケットの深さもとても深くなり、ときどき膿をもち、腫れて痛くなります。
歯周ポケット 6~7ミリ

(5) 重度歯周炎

重度歯周炎
歯を支える骨(歯槽骨)の70%以上が失われ、歯のグラグラが明らかになり、歯が縦方向にも動くようになります。歯がしっかりと支えられなくなるので、歯が移動してきます。また、食事の際、その部分で痛くて噛めなくなります。
口臭や歯ぐきからの出血、排膿もひどくなります。また、時々歯ぐきが急性化膿して腫れ、とても痛くなります。
歯周ポケット 9ミリ以上

歯周病の全身への影響

とくに循環器疾患の大きな原因となります
歯周病は、歯ぐきの慢性炎症で、その炎症による毒素が歯肉の血管から全身に入り、以下のような疾患を引き起こすリスクがあります。
  1. 動脈硬化
  2. 高血圧症
  3. 狭心症や脳梗塞、心筋梗塞
  4. 早産
  5. 低体重児出産
  6. 肥満
  7. 誤嚥性肺炎
  8. 老化の促進
米国では心筋梗塞を起こした患者様には歯周病の治療をただちに行うよう、勧告されています。
そのくらい歯周病が全身に大きく影響するということが明らかになっているのです。

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